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【楽しい神様のお話】謎多き女神~瀬織津姫~

 インスタグラムにて「瀬織津姫(せおりつひめ)って、どんな神様ですか?」というご質問をいただきました。

 

 インスタにて解答をしましたが情報量が限られており、全てを語り切れなかったので、ブログの方でもお話していきたいと思います。

 

インスタグラムにも、遊びに来てください

 

古事記や日本書紀に登場しない神様

瀬織津姫ってどんな神様なんですか? 古事記や日本書紀を勉強してるんですが、聞いたことがありません

そりゃそうじゃ。瀬織津姫は古事記や日本書紀には登場しない神様じゃからのぉ

 

 古事記や日本書紀は、日本の神様の系図や日本神話などが記載してある、国内最古の書物です。

 

 とても多くの神様の名前が書かれていますが、瀬織津姫に関する記述は載っていません。

 

 では、どこに登場するのかというと、大祓詞(おおはらえのことば)という、祝詞(のりと)だけに登場する神様なのです。

 

大祓詞ってなに?

  祝詞(のりと)というのは、神職の方が神様に捧げる言葉のことで、言霊という言葉の力が祝詞にはやどっています。

 

 祝詞の中でも、大祓詞に宿る言霊には絶大な力があり、唱えるだけで運気上昇や除霊の効果があると言われています。

大祓詞に登場する瀬織津姫

 

現代語になおすと「瀬織津姫という神様が、大海原に罪を流してくれるよ」という意味じゃ

 

 大祓の言葉はすごく長いので瀬織津姫が登場する部分だけ抜粋しました。

 

 気になる人は下記のサイトをご覧ください。

jpnculture.net

 

大祓詞からわかる瀬織津姫のご神格

水と関わりが深い神様というのが、大祓詞を見ればわかりますね

 

 

なぜ瀬織津姫は古事記に書かれていないのか?

 大祓詞という神道においてとても重要な祝詞には出てくるのに、日本神話を記した古事記や日本書紀には登場しません。

瀬織津姫も重要な神様なのかもしれないのに、なんで古事記や日本書紀に載っていないんですか?

それを知るにはまず、古事記や日本書紀は、誰が、なんのために書いたのか理解する必要があるのぉ

 

 古事記、日本書紀は天武天皇のアイディアで編纂されました。

 日本神話と天皇家の歴史書を作るという、天皇家の一大事業だったわけです。

 

 そして、古事記と日本書紀の超ザックリとした内容は「天皇家は神様の子孫だよ」ということが書かれています。

 

 古事記、日本書紀では天照大御神の5代後の子孫が、初代天皇の神武天皇ということになっています。

 

「天皇家は神様の子孫」ということが、嘘か真かは別として、なぜこのようなことが書かれているのかというと「天皇は神様の子孫だから、日本を支配してもいいんだよ」ということを、当時の皇室は主張したかったわけです

 

 つまり、古事記と日本書紀は昔の天皇家が、日本を支配する正当性をアピールするために作れたという側面もあります。

もちろん、神話や歴史を後世に残すという目的もあるぞ!

 当時の天皇家の都合や思惑が、含まれている可能性が高いということですね。

 

 

瀬織津姫は天皇家によって消された神様?

 古事記、日本書紀は天皇家によって作られました。

 

 なので瀬織津姫がこれらの書物に記載されてない理由には、天皇家にとって都合の悪い神様だったという可能性がでてきます。

 

 それでは、瀬織津姫の正体について見ていきましょう。

 

説① 天皇家にとって都合の悪い神様だった

 日本神話に登場する神々の多くは、古代日本に存在していた部族や小国のリーダー、もしくはそこが信仰していた神様だったという説があります。

 

 

 弥生時代の日本は小国乱立期と言って、小さい国があちこちに点在していた時期がありました。

 

 そんな中、現代の天皇の遠い祖先が、大和朝廷という強力な政治組織を立ち上げて、乱立していた小国をまとめます。

 

 こうして、現代まで続く日本という国が誕生するわけですね。

 

 天皇家は天照大御神を信仰していましたが、他国の神を否定しませんでした。

 

 大人しく大和朝廷に従った国や部族が信仰していた神様を、天照大御神を中心とする日本神話に取り込んでいきました。

 

 その一方で、大和朝廷に従わなかった国の神様は、神話上の敵役になったり、存在そのものが消されたと考えられます。

 

つまり瀬織津姫は、大和朝廷に最後まで反抗していた国のリーダーか、そこで崇拝されていた神様だったのかもしれんのじゃ!

 

② 天照大御神の分身説

 瀬織津姫=天照大御神ではないか、という説があります。

 

 瀬織津姫は天照大御神の荒魂(あらみたま)ではないかと言われています。

 勇気や向上心を司る荒魂は、行き過ぎると自然災害や疫病などの災いを起こすと言われているので、神社の本殿とは別のところで祭られていることが多いです。

 

 天照大御神を祭っている伊勢神宮には、本殿とは別に天照大御神を荒魂を祭る荒祭宮(あらまつりのみや)があります。

 

 そこの御祭神はもともと瀬織津姫だったと言われています。

 

 

③ 天照大御神の妻説

「天照大御神って女性の神様じゃないの?」

 このように思った人もいるかもしれませんが、天照大御神は途中で男から女に変えられたという説があります。

 

 古事記、日本書紀は日本最古の書物ですが、実はそれよりも古いと言われているホツマツタエという書物があります(ホツマツタエが最古の書物なのか、真偽は定かではありません)

 

 そのホツマツタエには、天照大御神が男性として書かれています。

仮にホツマツタエが事実だったとして、なんで天照大御神を男性から女性に変えなければいけなかったんですか?

それには数少ない女性天皇の持統天皇(じとうてんのう)が関わっていると言われているんじゃ

 持統天皇は690年に即位した歴史上数少ない女性の天皇です。

 

 持統天皇は少ない女性天皇の地位を向上させるために、日本の最高神である天照大御神を、男性から女性に変えたと言われています。

 

 女性なのに妻がいるのは不自然なので、瀬織津姫の存在を消したのではないかと言われています。

 

 

瀬織津姫の正体について、色々な説があるんですね。とても、不思議な神様です

記録が残っていないから、どれが本当かはハッキリしないのぉ。なにを信じるかは自分次第ということじゃな。

 

 

 大祓詞には登場するのに、古事記と日本書紀には載っていない不思議な神様、瀬織津姫のお話でした。

 

 個人的には天皇家の陰が見え隠れしているので、皇室となんらかの因果関係がある神様なんじゃないかなと思っています。

 

 最後まで見てくれてありがとうございました。